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つま先に先芯が入った靴は、どれも同じ「安全靴」ではありません。JIS T 8101に合格したものが「安全靴」、日本保安用品協会(JSAA)の認定を受けたものが「プロテクティブスニーカー(プロスニーカー)」で、どちらのマークもない先芯入りの靴は、性能が第三者に確認されていない「作業靴」です。職場で「安全靴を履くこと」と決まっている場合、どの規格が必要かを先に確認します。
この記事では、工場で働く筆者が、規格の区分と靴についている記号の読み方を整理します。
JIS安全靴とJSAAプロスニーカーは何が違う?
| 安全靴 | プロテクティブスニーカー | |
|---|---|---|
| 規格 | JIS T 8101 | JSAA規格(日本保安用品協会) |
| 甲の材料 | 革、または総ゴム・総高分子 | 人工皮革・合成皮革・メッシュなども使える |
| 見分け方 | JISマーク | JSAA認定マーク(A種・B種) |
| 特徴 | 丈夫で重作業の区分まである | 軽くて蒸れにくいものが多い |
マークは、靴のベロ(甲の内側)のラベルや中底、箱に表示されています。通販で買うときは、商品名の「安全靴」という言葉ではなく、説明欄の「JIS T 8101」「JSAA A種」といった規格の記載で確認してください。
作業区分の記号(U・H・S・L)は何を表す?
JIS T 8101は、つま先がどれだけの衝撃と圧迫に耐えるかで4つに区分しています。
| 区分 | 記号 | 耐衝撃性能 | 耐圧迫性能 |
|---|---|---|---|
| 超重作業用 | U | 200J | 40kN |
| 重作業用 | H | 100J | 15kN |
| 普通作業用 | S | 70J | 10kN |
| 軽作業用 | L | 30J | 4.5kN |
70Jは、およそ20kgのおもりを36cmの高さから落としたときの衝撃にあたります。一般的な工場で多く使われているのは普通作業用(S)です。JSAA規格は、販売各社の資料でA種が普通作業用(S)相当、B種が軽作業用(L)相当と説明されています。
ほかの記号(P・E・F・M)の意味は?
- P: 耐踏抜き性。くぎなどを踏んだときに靴底を貫通しにくい
- E: かかと部の衝撃エネルギー吸収性。かかとへの衝撃をやわらげる
- F: 耐滑性。水や油でぬれた床で滑りにくい
- M: 足甲プロテクタ。甲の部分への落下物から守る
たとえば「S種 E・F合格」と書かれた靴は、普通作業用で、かかとの衝撃吸収と耐滑の試験にも合格しているという意味です。立ち仕事が長い人はE、油や水を使う工程の人はFがついているかを見ると選びやすくなります。
自分の職場ではどれを選べばいい?
- 会社の指定を最優先: 「JIS規格品に限る」「JSAA A種以上」など、安全衛生の規程で決まっていることがあります。自分で買う前に確認してください
- 重い金属部品・金型・鋼材を扱う: JISのS種以上。重量物が多い職場はH種が指定されることがあります
- 軽い部品の組立・検査・物流のピッキング: 指定がなければJSAA A種のプロスニーカーが軽くて歩きやすい選択肢になります
- 電子部品・塗装・可燃物: 静電気帯電防止(JIS T 8103)の表示があるもの
買い替えの目安は?
- つま先に強い衝撃や圧迫を受けた靴は、外から見て変形がなくても交換する
- 靴底の溝がすり減って平らになったら、耐滑性能は落ちている
- 甲の革が破れて先芯が見えている、靴底がはがれてきた
足の疲れが気になる場合は、靴そのものを替える前に中敷きを見直す方法もあります。静電靴は中敷きに注意が必要なので、安全靴のインソール選び 5つの確認点で確認してください。
まとめ
- JISマークがあるのが安全靴、JSAAマークがあるのがプロスニーカー
- 作業区分は U(200J)・H(100J)・S(70J)・L(30J)
- P・E・F・Mは付加的な性能の記号
- 会社の指定を確認してから買う
規格の区分と数値は JIS T 8101(安全靴)、JIS T 8103(静電気帯電防止靴)、公益社団法人日本保安用品協会のプロテクティブスニーカー規格によります。A種・B種とJISの区分の対応は、販売各社の公表資料に基づく説明です。
この記事を書いた人
蓮(れん)。製造業の工場で3交代・夜勤ありの勤務を続けている3児の父です。商品の評価は、メーカーの公表仕様・公的機関の資料・販売ページの情報をもとに整理しています。自分で使っていないものを「使った」とは書きません。


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