工場で使う耳栓の選び方|遮音値の読み方と正しいつけ方

工場で使う耳栓の選び方|遮音値の読み方と正しいつけ方 仕事道具

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工場で使う耳栓は、遮音性能の数字が大きければよいわけではありません。職場の騒音の大きさに対して、必要な分だけ音を下げるものを選びます。遮音しすぎると、フォークリフトの接近音や警報、同僚の合図が聞こえにくくなるからです。厚生労働省の「騒音障害防止のためのガイドライン」も、「必要かつ十分な遮音値」のものを選ぶよう求めています。

この記事では、工場で働く筆者が、ガイドラインとメーカーの公表情報をもとに、選び方とつけ方を整理します。

どのくらいの音から耳栓が必要?

騒音による難聴は、大きな音に長い時間さらされることで少しずつ進み、治療で元に戻すことが難しいとされています。ガイドラインは、等価騒音レベルが85dB以上になる作業場を対策の対象にしています。おおまかな扱いは次のとおりです。

  • 85dB以上90dB未満: 必要に応じて聴覚保護具を使う
  • 90dB以上: 聴覚保護具を使う。事業者は、使用が必要なことを見やすい場所に掲示する

85dBは、1mほど離れた相手と話すのに大きな声が必要になるくらいの大きさが目安です。プレス、研削、鋲打ち、圧縮空気を使う工程などは、これを超えることがあります。自分の職場の測定結果は、会社の安全衛生の担当者に聞けば確認できます。

遮音性能の数字(NRR・SNR)はどう読む?

表示 使われている地域 意味
NRR アメリカ 遮音性能を1つの数字(dB)で表したもの
SNR ヨーロッパ 同じく1つの数字で表したもの。測定方法がNRRと違う
JIS T 8161-1による遮音値 日本 周波数ごとの遮音値。ガイドラインが目安にしている

どの数字も、試験の条件で正しく装着したときの値です。実際の現場では、入れ方が浅いと表示より大幅に下がります。数字の比較より、自分の耳に合い、正しく入れられるものを選ぶことのほうが結果に効きます。

耳栓の種類はどう選ぶ?

種類 向く人・場面 注意点
フォーム(スポンジ)タイプ 騒音が大きい工程。使い捨てで衛生的 丸めて入れるので、手が汚れている工程では入れ直しにくい
フランジ(ひだ付き・成形)タイプ つけ外しが多い人。洗ってくり返し使える 耳の穴の大きさに合わないと、すき間ができる
ひも付き・バンド付き 休憩や会話でよく外す人。落としにくい ひもが機械に巻き込まれない工程で使う
イヤーマフ(耳覆い) 耳栓が合わない人。つけ外しがすぐできる ヘルメットや保護メガネとの相性を確認する

食品工場では、落としたときに金属検出機で見つけられる金属検出対応の耳栓が指定されることがあります。

フォームタイプ耳栓(まとめ買い)

硬さと大きさが数種類あります。少量のセットで耳に合うものを確かめてから、まとめ買いすると無駄がありません。

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ひも付き・くり返し使える耳栓

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イヤーマフ(ヘルメット対応)

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フォーム耳栓の正しいつけ方は?

  • きれいな指で、耳栓を細い棒の形に丸めてつぶす(折りたたまない)
  • 反対側の手を頭の後ろから回し、耳を上と後ろに引っ張る。耳の穴がまっすぐになります
  • つぶした耳栓を奥まで入れ、ふくらむまで指で押さえる(30秒ほど)
  • 正面から鏡で見て、耳栓がほとんど見えなければ入っています。両手で耳をおおっても聞こえ方が変わらなければ合格です

耳栓の半分以上が耳の外に出ている状態では、表示どおりの効果は出ません。会社で装着の教育がある場合は、そこで自分の入れ方を見てもらうのが確実です。

健康診断と受診の目安

ガイドラインの対象になる作業場で働く人には、雇い入れのとき、配置替えのとき、その後6か月以内ごとに1回、騒音の健康診断(聴力検査)が行われます。次のような変化があれば、健診を待たずに耳鼻咽喉科を受診してください。

  • 仕事のあとに耳鳴りが続く
  • テレビの音量が以前より大きくなった、と家族に言われる
  • 高い音(電子音・呼び出し音)が聞き取りにくい

寝るときの耳栓は選び方が違います。夜勤明けの睡眠用は、夜勤明けに眠れない人の寝室づくりにまとめています。

まとめ

  • 対策の対象は等価騒音レベル85dB以上。90dB以上は聴覚保護具を使う
  • 遮音値は大きければよいのではなく、必要かつ十分なものを
  • フォーム耳栓は「丸める→耳を引く→押さえる」
  • 耳鳴りや聞こえにくさが続くときは耳鼻咽喉科へ

参考: 厚生労働省「騒音障害防止のためのガイドライン」(令和5年4月改訂)、JIS T 8161-1。職場で聴覚保護具が指定・支給されている場合は、その指定を優先してください。

この記事を書いた人

蓮(れん)。製造業の工場で3交代・夜勤ありの勤務を続けている3児の父です。商品の評価は、メーカーの公表仕様・公的機関の資料・販売ページの情報をもとに整理しています。自分で使っていないものを「使った」とは書きません。

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